シリーズ1作目!『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼(まてんろう)』(1997)

1997年に公開された『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』は、劇場版コナンシリーズの記念すべき第1作です。テレビアニメで人気を博していたコナンが初めて映画のスクリーンに登場し、観客の心を掴んだ作品でもあります。今回は、その魅力や見どころについて紹介します。

作品概要

  • タイトル:名探偵コナン 時計じかけの摩天楼
  • 公開日:1997年4月19日
  • 上映時間:95分
  • 監督:こだま兼嗣
  • 脚本:古内一成
  • 音楽:大野克夫
  • 主題歌:杏子「Happy Birthday」
  • 配給:東宝
  • キャッチコピー:「真実はいつもひとつ!」(劇場版第1作として初使用)

キャスト

♦レギュラーメンバー(TVシリーズと同じ)

  • 江戸川コナン / 工藤新一:高山みなみ
    → 表向きは小学1年生の探偵少年・江戸川コナンだが、正体は高校生探偵・工藤新一。
  • 毛利蘭:山崎和佳奈
    → 新一の幼なじみで空手が得意な女子高生。コナンの正体には気づいていない。
  • 毛利小五郎:神谷明(※当時)
    → 蘭の父で、推理は苦手だが「眠りの小五郎」として有名な探偵。
  • 阿笠博士:緒方賢一
    → コナンの協力者で発明家。数々の便利アイテムを提供。
  • 灰原哀:※登場しません(第1作のため)
    → 『時計じかけの摩天楼』時点では未登場です(TV初登場は第129話)。
  • 少年探偵団(※本作には本格登場しませんが声のみ出演):
    • 吉田歩美:岩居由希子
    • 円谷光彦:大谷育江
    • 小嶋元太:高木渉

◆ 劇場版オリジナルキャラクター

  • 森谷帝二(もりや ていじ):石田太郎

→ 本作のキーパーソンであり、犯人。建築界の権威でありながら、美に対する強い執着心から連続爆破事件を起こす。
※声を演じた石田太郎さんの冷淡な演技が話題となり、印象深い犯人像を作り上げました。

  • 黒川三奈:藤井佳代子

→ 森谷の秘書。忠実に付き従っており、事件の鍵を握る人物のひとり。

  • 森谷の運転手:千葉一伸

→ 地味ながら物語に関わるサブキャラ。


◆ 警察関係キャラ

  • 目暮警部:茶風林
    → コナンに信頼を寄せる警視庁の刑事。
  • 白鳥任三郎(本作が初登場):井上和彦
    → 劇場版で初めて登場し、後にTVシリーズにもレギュラー化された人気キャラ。

◆ その他

  • ナレーション:永井一郎
    → コナン劇場版の定番ナレーターとして重厚感を与えています。

あらすじ

頭脳は高校生だが体は小学生の名探偵コナンは、いつも麻酔で迷探偵・毛利小五郎を眠らせ、変声機を使って小五郎を演じつつ正体を隠して難事件を解決していた。ある日、コナンの正体である高校生名探偵・工藤新一に、建築家の森谷からパーティーの招待状が届く。新一は電話でガールフレンドの蘭に代理出席を頼み、自分はコナンとして蘭に付き添おうとするが、その代わり5月3日の夜に、蘭と映画「赤い糸の伝説」に行くことになった。コナンたちがパーティーに出席した数日後の5月3日、特殊火薬盗難事件と連続放火事件が発生する。そして、その犯人らしい男が新一に爆破予告をしてきた。しかし、コナンはラジコン飛行機やペット用ケースに仕掛けられた爆弾を次々と見抜いていく。続いて環状線爆破の予告が届いた。期限は日没まで、しかも環状線上の各列車が時速60キロ未満にスピードを落とすと爆発するという。これらの条件からコナンは爆弾そのものの仕掛けを突き止め、大惨事は未然に防がれた。これまで爆破のターゲットとなった場所も放火された建物も、すべて森谷の古い作品であることに気付いたコナンは、森谷こそが事件の真犯人であると見抜く。森谷は完全主義の美意識から外れる若い頃の作品の抹消を図り、また、新一の活躍がめぐりめぐって自分の新作の建設中止に至ったことから、新一への挑戦を最終目的の隠れ簑にしていたのだ。森谷逮捕の時にはすでに最後の爆破のタイムリミットが迫っていた。場所は、いま蘭が新一を待つ映画館ビル。森谷はパーティーの席上で、蘭からデートの話を聞いていたのだ。コナンが駆け付けた時には小爆破が起き、コナンは瓦礫越しに新一の声で蘭へ最終爆弾の解体の指示を出す。最後の切るべきコードは青か赤か。赤好きの蘭の決断でコードが切られ、爆破は防がれた。選ばれたのは青、蘭は新一との赤い糸を切らなかったのである。(映画.comより引用)

売り上げ情報

興行収入:約11億円

観客動員数:約110万人

当時のテレビアニメ原作映画は「クレヨンしんちゃん」や「ドラえもん」などが中心でしたが、推理×サスペンスジャンルで10億円越えは異例であり、当時のアニメ映画としては非常に好成績でした。

この成功により以後毎年コナン映画が製作される道が開かれたとされています。公開当時はテレビアニメ放送から1年半ほど。すでに人気は高まりつつありましたが、劇場版で一気にファン層を拡大しました。

どこで見れる?視聴可能な配信サービス

2025年5月時点で『時計じかけの摩天楼』が視聴可能な配信サービスは以下の通りです(一部要登録・有料):

✅ 定額見放題で配信中(要確認)

  • U-NEXT
    ※31日間無料トライアルあり。コナン劇場版多数あり。
  • Hulu
    ※2週間無料。コナンTVシリーズも多数配信中。
  • Amazon Prime Video
    ※レンタル/購入方式が多め。見放題対象は時期によって変動。
  • Netflix
    ※一部劇場版コナンを配信。配信時期により非掲載の場合あり。

※各サービスの配信状況は変わることがあるため、リンク先で最新情報を確認してください。

まとめ

見どころと評価ポイント

  • 劇場版第1作とは思えない完成度ストーリー、サスペンス、演出すべてが高水準。
  • 「赤か青か」の緊迫したシーンは、シリーズ屈指の名シーンと称される。
  • 犯人・森谷帝二の動機が狂気的かつ哲学的で、他の作品にはない深み。
  • 音楽(BGM)や背景美術も高評価。特に爆破前後の演出が印象的。
  • 工藤新一としての活躍も多く、「新一と蘭」の関係にフォーカスした作劇。

『時計じかけの摩天楼』は、コナン劇場版シリーズの原点であり、今なお多くのファンに愛される名作です。シリーズ最初にして、いまだに「最高傑作」との声も多い一作です。犯人の動機の異質さ、クライマックスの緊迫感、そして蘭と新一の関係性の描写──全てが詰まった“劇場版コナンの原点”。

初見の方も、何度も観たファンも、ぜひこの機会にもう一度ご覧ください。
「赤か青か」のラストシーンや、犯人・森谷帝二の異質な動機は、推理アニメの枠を超えた深みがあります。
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